前回は「ピカソの小切手の逸話」をご紹介しました。一言で言えば、ピカソは天才マーケターだった、という話です。
彼は支払いのほとんどを、現金ではなく小切手で行っていました。そうすることで、享受できるメリットがたくさんあったからです。

では、このピカソの手法は、現代では何と呼ばれているのか。広告業界では、「ファンマーケティング」「バイラルマーケティング」と呼んでいます。
一つずつ解説しますね。
ファンマーケティング
ファンマーケティングとは、ブランドや人物への愛着を起点にビジネスを広げる考え方です。
小切手を換金しないのは、「お金」よりも「ピカソの存在価値」を優先しているから。
受け取った人はコレクター的心理をくすぐられ、半ばファン化します。そして、そのファンは“自慢話”としてこの逸話を語り、結果的にブランドがさらに強化されます。
この「ファンが宣伝者になる」構図は、Appleの熱狂的ユーザーや、限定コラボグッズを愛蔵する人たちと同じ心理メカニズムです。
バイラルマーケティング
バイラルマーケティングとは、商品やサービスの情報がウイルスのように、人から人へ自然に拡散していくマーケティング手法です。
ピカソの場合、小切手を受け取った人は「換金するより、そのまま持っていたい」と感じ、さらに小切手を受け取った人は、「ピカソから直筆の絵をもらった」という話を周囲にします。その話はまた別の人へと広まり、自然と口コミの連鎖が生まれます。
つまり、ピカソは何も宣伝しなくても、受け取った人が勝手に広告塔になってくれる構造を作っていたのです。そして、これは現代の「SNSで拡散されるユニークなキャンペーン」と同じ仕組みです。

さて、こうしたピカソのマーケティング事例から、私たちは大きく4つのことが学べます。
ピカソから学ぶ4つの核心
1.商品・サービスに「付加価値」を与える
ただの支払手段(現金化する紙)に、絵という芸術的価値を上乗せしたことで、換金よりも“所有して眺めたい”という欲求が勝った。
これはマーケティングで言う「コモディティに差別化価値を加える」例です。
2.ブランドが“貨幣”になる
ピカソというブランド力は、小さな絵だけでも人々が価値を感じるほど強固でした。
これは企業や商品のロゴやサインだけで価値を生む状態を意味します。ルイ・ヴィトンのモノグラム、Appleのリンゴマークがいい例です。
3.支払いをコストではなく広告にする発想
換金されない小切手は実質的な支出ゼロで、しかも持ち主が自発的に広めてくれる広告媒体になります。
これは、現代のバイラルマーケティングやファンマーケティングの考え方と直結します。
4.マーケティングの教訓
価値は機能だけでなく、物語や文脈で決まります。ブランドはお金以上の価値を生み出し、やり方によっては、支出もPR資産になりえます。

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