「売れない」は思い込み

問題です。

とある食堂では、普通のカレーを500円で売っています。

このカレーを

「吉野家で腹一杯に食べた直後の学生」に
「味を変えず」
「1000円で売る」

にはどうしたらよいでしょう。

方法はいくつかありますが、ここでは代表的な2つの手法を解説します。

a)キャンペーンにする

「参加費1,000円で、本日カレーをご注文の方全員に、3食分のカレー無料券をプレゼント!」

これなら、500円のカレーを1000円で四回食べられるわけですから、実質半額です。学生にもメリットがあるので飛びつく人もいるでしょう。

もちろん、お店にもメリットはあります。

①いい宣伝になります
②実質一食250円→半額キャンペーンと同じだが、先に一括でキャッシュが入る
③中には無料券を使い忘れる人もいる

こうしてみると、悪くない施策です。

b)佳子内親王にご登場いただく

正直、上記(a)案は、喜んで学生がお金を使うかというと疑問が残りますが、(b)案は間違いありません。

このカレー、実は佳子内親王が学生時代に好きだった食堂のカレー、と言われたら、皆さんはどうします?お腹いっぱいでも、お金をあまり持ってなくても、1000円なら無理して食べませんか?

少し状況は異なりますが、ファッション業界では似たようなことが起きています。佳子内親王が着た服は問い合わせ数が増加し、その服が飛ぶように売れるのです。

言うなれば「宮内庁御用達マーケティング」でしょうか。

しかし、これは皇族だけに当てはまる現象ではありません。昨年は「大谷翔平」が関係すれば何でも売れましたし、インフルエンサーを使った集客は、まさにこれと同じ理屈です。

もっと身近なところで言えば、皆さんが好意を抱いている人に勧められた商品は、その商品にも好意を抱きますよね。つまり、この心理を使ったプロモーションを行えば、どんなものでも売れるのです。例えば、もし皆さんにとっての見込み客に「犬好き」が多いなら、チラシは犬を採用したデザインにすればいいわけです。

ただ、芸能人やインフルエンサーなどには流行り廃りがあります。が、皇族にはそういったものがない。

だから、この「宮内庁御用達」という言葉の力は本当に凄まじく、昔はこの「宮内庁御用達」という言葉を掲げるだけで、大抵の店はとても繁盛したそうです。

とはいえ、この「宮内庁御用達」という言葉、威力が強すぎるゆえ、御用達でもないのに「宮内庁御用達」を騙る者が増加。現在は、宣伝目的での「宮内庁御用達」という単語の使用は禁止されています(そもそも、現在は宮内庁御用達制度は廃止されています)。

他にも、その威力が凄すぎて禁止になったプロモーションはいくつかありますが、その話はまた次回。

いい商品・いいサービスを作っているのに、売れない。

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