デザインとは、単なる装飾ではなく、「伝える・動かす・解決する」ための設計です。見る人の行動や感情を意図的に導く力を持ちます。たとえば、迷わせないサイン、手に取りたくなるパッケージ、理解しやすい資料――すべてが目的に沿ったデザイン。
美しさは、その副産物にすぎません。
しかし、デザイナーの中には一部、「おしゃれであること」を再重要視して、本来の意味を忘れている人もいます。例えば、次の図を見てください。

一瞬、困惑してしまいますよね。それは人間として通常の反応で、行動心理学では「ストループ効果」と呼ばれています。
言語化すると、ストループ効果とは、色から得られる情報と文字などその意味から得られる情報が矛盾する場合、二つの情報が干渉しあうため情報の把握に時間がかかる現象です。
つまり、「意味よりも装飾を優先したデザイン」は、見た目は美しくても、人を迷わせ、行動を妨げ、伝えるべき本質を曇らせてしまいます。
デザインの目的は、人を動かすこと。美しさは、機能と調和して初めて生きるものです。
実はこれは非常に大切なことで、私たちの身の回りにおいても、この効果はうまく使われています。次回はその面白い事例をいくつか紹介しますので、ぜひご期待ください!